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おもちつきを保育園・幼稚園で|ねらい・流れと窒息・食中毒の防ぎ方

園のおもちつきは、当日の流れより先に「食べるかどうか」を決めるのが出発点です。ねらいと役割分担、杵を使う安全、餅による窒息の防ぎ方、ノロウイルスの食中毒を防ぐ手洗いと手袋、子どもの服装まで先生向けに解説します。

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おもちつきを保育園・幼稚園で|ねらい・流れと窒息・食中毒の防ぎ方

杵と臼を出して、みんなで声をかけ合うおもちつきは、冬の園の楽しい行事です。一方で、餅は窒息につながりやすい食べ物で、つきたての餅を素手で扱う作業は食中毒の原因にもなります。準備の段階で決めておくことを順に整理します。

園のおもちつき|ねらいと、最初に決めておくこと

園庭に置かれた臼と杵のまわりに、普段着の上着を着た子どもたちが集まり、先生の話を聞いている様子

保育所保育指針は、正月などの伝統的な行事に親しむことを通して、社会とのつながりの意識の芽生えを養うよう示しています。食育では、食材を自然の恵みとして感じたり、調理する人への感謝の気持ちが育ったりするよう、食に関わる環境に配慮することを求めています。

おもちつきは、もち米が蒸されて餅に変わる様子を、目と耳と手で感じられる行事です。ねらいは、たとえば次のように立てられます。

  • もち米が餅になる変化に気づき、伝統的な行事に親しむ
  • 友だちや大人と声を合わせ、一緒につく楽しさを味わう
  • つく人や作る人への感謝の気持ちをもつ

最初に決める4つのこと

当日の流れより先に、次のことを園で決めておきます。

決めること

考え方

食べるかどうか

つく体験だけにするか、ついた餅を食べるか。食べる場合は年齢ごとに判断する

食べる餅

ついた餅を食べるか、食べる分は市販の餅にするか

参加する人

職員だけか、保護者や地域の方に手伝ってもらうか

保健所への相談

食べる場合は、早めに管轄の保健所に相談する

東京都練馬区は、餅つき大会を行うときは、開催初日の1か月前までに保健所へ相談するよう案内しています。行事の形によって届出が要ることもあるため、地域の保健所の案内を確かめましょう。

準備と当日の流れ|もち米の用意から片付けまで

臼の中の蒸したもち米を、大人が杵でつき、そばの大人が手を水でぬらして餅を返している様子

餅は、もち米を水に浸して蒸し、臼に入れて杵でついて作ります。園で行う場合の流れは次のとおりです。

  1. 前日までに、もち米を洗って水に浸しておく
  2. 当日の朝、餅に触れる人の体調を確かめる
  3. 杵・臼・返し水の容器・作業台を洗い、熱湯をかけて消毒する
  4. もち米を蒸す。火や蒸し器の周りには子どもを近づけない
  5. 蒸したもち米を臼に入れ、杵で押しつぶすようにこねる
  6. 大人がつき、返す人が手を水でぬらして餅を返す
  7. 子どもが順番に、大人と一緒に杵を持ってつく
  8. 使い捨て手袋を着けた大人が、餅をちぎって丸める
  9. 臼や杵など餅が付いた道具は、早めにお湯に浸してから洗う

役割を分けておく

当日は、役割を決めて名札などで分かるようにしておくと、杵の周りが混み合いません。

  • つく人:杵を振る大人
  • 返す人:手を水でぬらし、餅を返す大人。つく人と声をかけ合う
  • 子どもの付き添い:子どもと一緒に杵を持ち、振り上げる高さを見る
  • 見守り:順番を待つ子どもを、杵の届かない場所で見る
  • 丸める人:手袋を着け、餅をちぎって丸める

子どもがつくときの安全

本物の杵は重く、振り上げると周りの人に当たるおそれがあります。子どもがつくときは、子ども用の小さな杵を使い、大人が後ろから一緒に持ちます。

順番を待つ場所は臼から離し、地面に線を引いておくと分かりやすくなります。返す人の手がある間はつかないことを、大人どうしで声に出して確かめ合います。

窒息を防ぐ|餅を食べるなら、年齢と大きさ、食べ方を決める

小さく丸めた餅を入れたお椀を前に、普段着の子どもたちがいすに座り、先生がそばで見守る食事の様子

国の事故防止ガイドラインが参考例に載せる誤嚥防止のマニュアルは、餅を粘りが強く窒息につながりやすい食べ物とし、給食で使用を避ける食材に挙げています。同じマニュアルは、一口あたりの窒息事故の頻度は餅が最も高いという国のリスク評価にも触れています。

餅は、口に入るときはやわらかくても、体温に近い温度まで下がると固くなり、くっつきやすくなります。奥歯が生えそろう前の乳幼児は、食べ物をかんですりつぶすことが難しく、窒息が起こりやすいとされています。

こうしたことから、乳児クラスでは餅を食べる活動にしないことをおすすめします。幼児クラスで食べるかどうかも、園の給食の決まりに合わせて決めます。

食べる場合に守ること

東京消防庁の予防のポイントや、ガイドラインの食事の介助の注意をもとに、次のことを決めておきます。

  • 小さく切り、一口で食べられる大きさにする
  • いすに座り、急がずよくかんで食べる
  • 食べる前に汁物などでのどを湿らせる
  • 口に入れたまま話したり歩いたりしない
  • 飲み込んだかを確かめてから、次を口に入れる
  • 食べている間は、大人が子どもから目を離さない

東京消防庁は、いざというときに備えて応急手当の方法を理解しておくことも呼びかけています。行事の前に、職員全員で救急対応の手順を確かめておきましょう。

食中毒を防ぐ|体調の確認・手洗い・手袋と、加熱して食べる

作業台で、使い捨て手袋をした大人が餅をちぎり、そばに手洗い場と消毒した道具が並んでいる様子

東京都内では、2010年1月に幼稚園の餅つき大会で患者136名、2018年12月に学校の餅つき大会で患者143名の食中毒が起きています。練馬区によると、どちらも参加者の手指を介してノロウイルスが付いた餅を食べたことが原因とされています。

餅つきは、餅を返す、ちぎる、丸めるなど、手で触れる作業が多い行事です。練馬区の案内をもとに、次の点を守ります。

  • 体調が悪い人は、餅に触れない
  • 数週間前に下痢や嘔吐があった人も、作業を控える
  • 作業の前に、石けんでしっかり手を洗う
  • 返す・ちぎる・味付けは、手を洗ってから使い捨て手袋を着けて行う
  • 返し水は、餅をつくたびに取り替える

ノロウイルスは、症状が治まってからも2〜4週間ほど便に出ることがあります。アルコールでは消毒できないため、手洗いを丁寧に行うことが基本です。

食べ方と材料の工夫

練馬区は、餅つき用の餅と食べる用の市販の餅を分けると、さらに安全だとしています。あんこやきな粉も、なるべく市販品を使います。

ついた餅を食べるなら、おしるこや雑煮にして煮ると安心です。加熱するときは、食品の中心を85〜90℃で90秒以上保ちます。

食物アレルギーのある子には、あんこの小豆やきな粉の大豆にも気をつけます。こども家庭庁のアレルギー対応のガイドラインは、家庭で食べたことのない食物は基本的に保育所で出さないとしています。使う材料は、事前に保護者に知らせておきましょう。

服装と持ち物|杵の周りで動きやすく、餅に触れる人は清潔に

オレンジ色の園の帽子をかぶり、普段着の上着を着た子どもたちと、エプロンをした先生が、臼から離れた場所で順番を待っている冬の園庭の様子

屋外でおもちつきをするときは、順番を待つ時間も長くなります。子どもの服は、寒さと動きやすさの両方から確かめます。

  • 上着の首回りや裾から垂れるひも、フードがないか
  • 袖口が長すぎて、杵を持つ手にかからないか
  • 待つ間に冷えないよう、上着を脱ぎ着しやすいか
  • 屋外では帽子をかぶり、あごゴムがゆるすぎないか

冬の上着のひもやフードの注意はお正月遊び一覧の冬の外遊びの服装でも紹介しています。

餅に触れる人の身支度

餅を丸める子どもや大人は、手を洗ってから、髪が落ちないよう三角巾や帽子を着け、エプロンをします。爪は短く切っておきます。

子どもが丸める体験をするときは、給食当番と同じ身支度にすると、子どもにも分かりやすくなります。給食当番用のエプロンと食事用のエプロンの違いは、保育園のエプロンで整理しています。

寒い日の重ね着の考え方は、次の記事で紹介しています。

まとめ|おもちつきは「食べるか」から決め、窒息と食中毒の対策をそろえる

おもちつきのあと、普段着の子どもたちが保育室で、おもちつきの様子を描いた絵を先生に見せている様子

おもちつきは、もち米が餅になる変化を体で感じられる行事です。安全に楽しむには、当日の流れより先に「食べるかどうか」を決めることが出発点になります。次の順で準備しましょう。

  1. ねらいを決め、食べるかどうかと参加する人を決める
  2. 食べる場合は、1か月前までに保健所へ相談する
  3. 役割を分け、子どもがつくときは大人が一緒に杵を持つ
  4. 食べるなら乳児クラスは避け、小さく切って座って食べ、大人が見守る
  5. 体調の確認・手洗い・手袋・加熱で、食中毒を防ぐ
  6. 子どもの上着と、餅に触れる人の身支度を前日までに確かめる

園児服メーカー編集部としては、冬の屋外の行事でも、子どもが寒さを我慢せずに順番を待ち、杵を持つときは袖や裾を気にせず動けることを大切にしたいと考えています。おもちつきの前には、園の上着や給食当番のエプロンも、その日の動きに合っているかを見直してみてください。

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