保育園で使えるイラストの探し方|無料素材の規約とおたよりでの使い方
保育園・幼稚園のおたよりや掲示物には、規約で園の配布物に使えると確かめた素材か自分で描いた絵を使います。規約で見る7項目と「ほいくえ」の規約、白黒でも見やすい置き方、服装のお願いでの絵の使い方を解説します。

おたよりに季節の絵を添えようと検索すると、無料のイラストがたくさん見つかります。ただ、無料で配られている絵にも描いた人の権利があり、使える範囲はサイトごとに違います。
保育園で使うイラストは、規約を確かめた素材か自分で描いた絵にする

おたよりや掲示物、名札などに使う絵は、次のどれかにします。
- 利用規約で、園の配布物に使えると確かめた素材サイトの絵
- 購入したイラスト集などで、使ってよい範囲が示されている絵
- 先生が自分で考えて描いた絵
画像検索で見つけただけの絵や、アニメ・絵本のキャラクターを描き写した絵は使いません。
著作権法には、学校などの教育機関で授業に使うためのコピーなどを認める例外(第35条)があります。しかし、学級通信や学校のホームページにインターネット上のイラストを載せることは「授業の過程」の利用に当たりません。
文化庁の解説は、著作権者の許諾が必要だとしています。「著作権フリー」と書かれた画像でも、個人の利用は認めても仕事での利用は認めない、といった条件が付く場合があるとも注意を促しています。
園だよりや園のホームページも同じです。先生が仕事で使うためのコピーは、個人で楽しむための複製(私的使用)にも当たりません。
場面ごとの絵の役目と注意は次のとおりです。
使う場面 | 絵の役目 | 気をつけること |
|---|---|---|
園だより・クラスだより | 季節感と話題の目印 | 文字に重ねず、白黒で確かめる |
行事の案内 | 何の行事かを一目で伝える | 日時や持ちものは文字で書く |
持ちもの表・服装のお願い | どの物かを見分ける | 実物と形や色をそろえ、数は文字で書く |
名札・ロッカーのマーク | 子どもが自分の物を見分ける | キャラクターは使わず、規約を確かめた素材か自分で考えた絵にする |
保育室や玄関の掲示 | 子どもや家庭への案内 | 掲示も規約の「使える場面」に入るか確かめる |
連絡帳に添える小さな絵も、自分で描いた絵なら迷いません。
無料イラストの探し方と、使う前に確かめる規約

保育向けの無料イラストは、保育の情報サイトのダウンロードコーナーや、保育の仕事をしていた作家のサイトなどで配られています。月や行事で探せるサイトや、白黒印刷用の素材を用意しているサイトもあります。
画像検索で気に入った絵が見つかったら、配っている元のサイトを開いて規約を読みます。ほかのサイトに転載された絵の利用を断っている素材サイトもあります。作者名が書かれていない絵でも、著作権は作品ができた時点で自動的に生まれています。
素材サイトの規約は、著作権を持つ人(作者やサイトの運営者)が前もって示した許諾の条件です。著作権法も、許諾された方法と条件の範囲で使えると定めています。使う前に次の項目を確かめます。
確かめること | 見るポイント |
|---|---|
使える場面 | 園のおたよりや掲示物が例に入っているか |
配り方 | 紙で配るだけか、園のホームページや連絡用アプリでの配信も入るか |
商用の扱い | バザーなど、お金を受け取る場面で使えるか |
加工 | 色や向きの変更、文字入れ、組み合わせがどこまでできるか |
点数 | 1つの制作物に使える点数に上限があるか |
表記 | 作者名やサイト名を書く必要があるか |
禁止事項 | 素材としての再配布、販売、特定の用途での利用 |
インターネットで送ることは、紙に刷る「複製」とは別の権利(公衆送信権)として法律に定められています。規約に配信の例がなければ、配る前に問い合わせましょう。作者には作品を意に反して変えられない権利(同一性保持権)もあるため、加工は認められた範囲にとどめます。
「ほいくえ」は保育士経験のある作家の無料イラストサイト
「ほいくえ」は、保育士として働いた経験のあるイラストレーターが描く、保育向けの無料イラストサイトです。月や行事ごとの絵、枠や飾り文字、壁面の型紙などを公開し、白黒印刷に対応した素材もあります。
2026年9月時点の利用規約とよくある質問には、次のようにあります。
- 使ってよい例は、おたよりなど園での印刷物。規約の範囲内なら点数の制限はない
- 園のホームページや連絡用アプリでの配信は、規約にもよくある質問にも書かれていない
- 商用利用は基本的にできない(参加者から利益を取らない園の催しなどでは使える)
- 大きさの変更、文字入れ、反転、切り抜き、組み合わせはできる
- 性別を変えるなどイメージを大きく変える加工や、絵をもとに人工知能などで加工して作ることはできない
- 選挙運動や宗教関係での利用はできない。著作権は放棄していない
次のことも禁じられています。
- イラストそのものを商品にしたり販売したりすること
- 交流サイトやアプリで素材として配ること
- 自分の絵のように投稿すること
おたよりが見やすくなるイラストの選び方と置き方

東京都のユニバーサルデザインのガイドライン(視覚情報版)は、次のことを挙げています。
- 色だけに頼らず、白黒でも内容が分かるようにする
- 背景と文字に、はっきりした明るさの差をつける
- 情報を詰め込みすぎず、余白を持たせる
おたよりでは次の点を確かめます。
- 白黒で刷るなら、白黒用の線画を選ぶ
- 絵の上に文字を重ねず、見出しの横や余白に置く
- 黄色や水色などの明るい色の細い線で描いた絵や、淡い色どうしの絵は避ける
- 色で分けるときは、色名や記号も書き添える
- 1枚に入れる絵は、話題の目印になる数にとどめる
季節の絵は、その月の行事や子どもが見ている草花・生き物から選ぶと、話題と結びつきます。
行事の案内の文面は、運動会の親子競技のお知らせ文例も参考になります。
同じガイドラインは、日本語を母語としない人や子どもへの配慮として、イラストや写真を使うことと、漢字にふりがなを振ることを挙げています。持ちもの表などでは、絵と短い文を並べて書きましょう。
服装や持ちもののお願いは、絵を実物に合わせる

衣替えや入園準備のお願いでは、絵が「どの服・どの持ちものか」を伝えます。園児服メーカー編集部としては、次の点を確かめることをおすすめします。
素材サイトの制服や体操服の絵は、衿の形や色、帽子の形が園の服と違うことがあります。そのまま使うと、別の服を用意してよいと受け取られるおそれがあります。指定の服は、園で撮った実物の写真か、実物を見て描いた線画にします。
衣替えなら、半袖と長袖、半ズボンと長ズボンの違いが一目で分かるように並べて描きます。違いが小さい物は「長袖」と文字でも書きます。白黒で刷ると色は伝わらないので、「紺の帽子」「着替え上下2組」のように色名と数も文字で書き添えます。
名前を書く位置は、園の決まりに合わせて、服の内側を開いた絵や写真に丸印で示します。実物を撮るときは、名前を書いていない見本の服を平らに置いて撮ると、子どもの顔や名前が写り込みません。カタログの写真を使いたいときは、使ってよいかメーカーや購入先に確かめましょう。
衣替えのおたより全体の組み立ては、衣替えのお知らせ例文で日付や持ち帰りの書き方と合わせて紹介しています。入園準備の持ちもの表を作るときは、品目や枚数、記名の順番を次の記事で確かめられます。
自分で描くときのコツと、キャラクター・人工知能の注意

素材が見つからないときは、自分で描くのも一つの方法です。上手さより、伝えたい物が分かることを優先します。
- 実物や写真を見て、形の特徴を一つ選んで描く(服なら衿の形や袖の長さ)
- 黒いペンで線をはっきり描き、白黒コピーで見え方を確かめる
- ほかの人の絵をなぞったり、見ながら写したりしない
アニメや絵本のキャラクターの絵も、著作物として守られています。元の絵をもとに形を変えて描いた場合も、作者の権利(翻案権)が関わることがあります。許諾を得ていないキャラクターは、おたよりや園のホームページに使いません。
人工知能で作った絵が著作権の侵害になるかどうかも、人が描いた絵と同じように判断されると文化庁は説明しています。基準は、既存の作品に似ているか、それをもとにしたかです。キャラクター名や作家名を指示して作るのは避けましょう。
子どもが描いた絵にも著作権があります。おたよりに載せるときは、園の方針に沿って本人と保護者の了解を得ます。
まとめ|規約を確かめてから使い、服と持ちものは実物に合わせる

保育園のおたよりや掲示物に使うイラストは、規約で園の配布物に使えると確かめた素材か、自分で描いた絵にします。次の順に進めると、迷わずに選べます。
- 使う場面と配り方(紙・ホームページ・連絡用アプリ)を決める
- 配布元のサイトで規約を読み、使える場面・加工・点数・表記を確かめる
- 刷る前に白黒でコピーし、絵と文字が見分けられるか確かめる
- 服や持ちものの絵は実物と見比べ、色・数・記名の位置は文字でも書く
規約は変わることがあるので、使うたびに確かめます。キャラクターは手描きでも使いません。
園児服メーカー編集部としては、服装や持ちもののお願いほど、絵と実物のずれが家庭の準備の迷いにつながると考えています。おたよりを作る前に、園の服を机に並べて絵と見比べてみてください。服の形や見分けやすさを見直すきっかけにもなります。



