とげの抜き方|子どもに刺さったときの手順と受診の目安・園での対応
とげは手を洗い、明るい所で刺さった向きを確かめてから、皮膚から出た先を毛抜きでつまんで同じ向きに抜きます。抜けない・見えない・折れたときの受診の目安と何科か、保育園・幼稚園での連絡や記録、予防の点検まで解説します。

子どもが指先を押さえて泣いていると、すぐにでも抜いてあげたくなります。けれど、慌てて引っぱると、とげの先が折れて皮膚の中に残ってしまうことがあります。まずは子どもを落ち着かせて、次の順に進めましょう。
とげの抜き方|手を洗い、刺さった向きに沿って毛抜きで抜く

とげは小さな木のかけらであることが多く、手や足によく刺さります。ただし、大きなものが深く刺さっているときや、目や目のまわり・爪の下に刺さったときは、抜かずに受診します(受診の目安は次の章)。それ以外で、先が皮膚の外に出ていて毛抜き(ピンセット)でつまめるときは、次の順で抜きます。
- 大人の手と、とげのまわりの皮膚を、石けんと水で洗う
- 明るい場所に座り、とげの大きさと、皮膚にどの向きから入っているかを見る。小さいときは拡大鏡を使う
- 先を消毒して清潔にした毛抜きで、皮膚に近いところのとげの端をしっかりつまむ
- 刺さった向きと同じ角度のまま、ゆっくり引き抜く
- 抜けたとげを見て、途中で折れていないか、全部出たかを確かめる
- もう一度洗い、血が出ていれば押さえて止める。汚れそうなら清潔なばんそうこうで覆う
とげのまわりを指でつまんで、押し出そうとするのはやめましょう。とげが細かく折れたり、かえって奥へ入ったりすることがあります。
抜いたあとも、数日は様子を見る
浅いとげは、抜いたあとに傷口を水道水で洗います。洗うのは傷口の表面だけにして、傷の中へ無理に水を入れないようにします。
その後の数日で次のような変化があれば、とげが残っていたり、化膿したりしているおそれがあります。早めに受診しましょう。
- とげの跡が赤くなる
- 腫れる
- 熱をもつ
- 膿が出る
- 痛みが強くなる
抜けない・見えないとげは無理に抜かない|受診の目安と何科か

先が皮膚の中に入り込んでつまめないとげを、針などで何度もいじると、かえって深く入ったり、化膿したりすることがあります。毛抜きで何度か試しても抜けないとき(長くても10〜15分)は、それ以上続けずに医療機関で取ってもらいましょう。
ごく小さく浅いとげで痛みもなければ、清潔にして数日見ているうちに、自然に出てくることもあるとされます。その間に赤みや腫れが出てきたら受診します。木や竹のとげは折れやすく、体の中に残ると化膿して赤く腫れ、膿が出ることがあります。抜けないとげを長く放っておくと、あとから取るのが難しくなることもあります。
次のようなときは、家庭や園で無理に抜かず、医療機関を受診しましょう。
- 大きなものが深く刺さっている、皮膚に対してまっすぐ刺さっている、血がなかなか止まらない
- 深く入っていて先がつまめない、何度か試しても抜けない
- 途中で折れた、全部抜けたか分からない、透明なガラスのように見つけにくい
- 目や目のまわり、爪の下に刺さった
- さびた金属や古い釘、土で汚れたものが刺さった
- 破傷風を防ぐ予防接種が済んでいない、または済んでいるか分からない
- 数日のうちに赤み・腫れ・熱をもつ感じ・膿・強い痛みが出てきた
土で汚れたものや古い釘が刺さったときに気をつけたいのが、破傷風です。破傷風菌は土の中などにいて、傷口から入り込んで感染することがあります。
破傷風は乳幼児期の定期予防接種で予防できる病気で、日本医師会の子どものけがの解説も、こうしたときのために予防接種の状況を知っておくことが大事だとしています。
受診するときは、抜けたとげや刺さったものがあれば持っていき、何が、どこに、どのくらい刺さったかを伝えます。予防接種の記録が分かる母子健康手帳も用意しておくと安心です。
受診先は皮膚科か外科です。症状が重くなければ、まずかかりつけの小児科でもかまいません。深く刺さったものは形成外科が担当することもあります(日本創傷外科学会の刺し傷・異物の解説)。
夜間や休日に受診を迷うときは、子ども医療電話相談(#8000)で相談できます。相談できる時間は都道府県によって違います。
保育園・幼稚園でとげが刺さったときの対応|連絡・記録・薬の扱い

園でとげが刺さったときは、園の手順に沿って対応します。保育所保育指針は、保育中のけがなどへの対応として、次のことを示しています。
- 子どもの状態によって保護者に連絡する
- 必要に応じて嘱託医やかかりつけ医と相談して、適切な処置をする
- 看護師などがいる場合は、その専門性を生かす
保育所保育指針解説は、けがなどが起きたときの手順をマニュアルで明確にし、職員全員で共有しておくことも求めています。
幼稚園も、学校保健安全法にもとづき、事故などで子どもに危険やけがが生じたときに職員がとる措置と手順を定めた対処要領を作ることになっています。とげを園で抜くか、どこまで手当てをするかは、こうした園の決まりに従います。
手当てでは、次のようにします。
- 手当ての前に手を洗う
- 血に触れるときは、使い捨て手袋を着ける
- 手袋を外したあとは、流水と石けんで手を洗う
深くてつまめない、目や目のまわりに刺さったなど、前の章の受診の目安に当たるときは、園で無理に抜かず、保護者に連絡して受診につなげます。
保護者には、次のことを伝えます。
- いつ、どこで(どの遊具や場所で)刺さったか
- 何が、体のどこに刺さったか
- 園でどう手当てしたか、全部抜けたと思えるか
- 家で数日見てほしいこと(赤み・腫れ・膿・痛み)
抜いたあとに塗り薬を使うかどうかは、嘱託医などと決めた園の決まりに従います。保護者から預かって子どもに与える薬は、医師の診断と指示による薬に限り、与薬依頼票を持ってきてもらうことが必須とされています(保育所保育指針解説)。
とげが刺さったときは、一度だけでも、その日のうちに次のことをしましょう。
- 刺さった場所や遊具を確かめて記録する
- 職員全員で共有する
- 点検や修理につなげる
子どもの手がささくれに触れかけた場面のように、あと一歩でけがになるところだった出来事も、ヒヤリ・ハットとして共有しておきます。
とげを防ぐ|木の遊具や床の点検と、手足を守る服装・上履き

皮膚科クリニックの案内では、外来で多いのは、植物のとげや木の家具のささくれが刺さった例とされています。
保育所保育指針解説は、安全点検表を作り、施設・設備・遊具・玩具・用具・園庭などを、点検項目と点検日、点検者を決めて定期的に点検することを求めています。幼稚園も、学校保健安全法にもとづいて施設や設備の安全点検を計画に入れて行います。
とげを防ぐ点検では、次の場所を見ます。
- 木の遊具の手すり・座面・はしご
- ウッドデッキや床の板、木の柵
- 木のおもちゃや積み木、木工の材料
- 園庭に落ちた枝や木片、とげのある植物のまわり
ささくれを見つけたら、その場所を使わないようにして、修理や交換を手配します。ただし、解説は、危険を取り除くことは必要でも、遊びを制約しすぎないよう配慮し、子どもが遊びを通して危険を避ける力を身につけることも大切だとしています。点検は、木の遊具で思いきり遊ぶための準備と考えましょう。
服で覆えるところ、覆えないところ
とげが刺さりやすい手のひらや指先、足の裏は、服では覆えません。そこは履き物と道具、遊び方で守ります。
- 木の床やデッキでは、上履きや靴を履く。素足で過ごす時間がある園は、その場所を先に点検する
- 枝や木片を集める遊びや木工では、手袋を使う
- 木の手すりや台を、手でこするように触らない
- とげのある植物の茂みには入らない
腕や脚は、袖や裾で覆われているあいだは木の面に直接触れません。半袖・半ズボンになる季節は、腕や太ももが木の遊具に触れる場面が増えるので、衣替えの時期に合わせて木の遊具やデッキを点検すると、季節ごとに見直しやすくなります。
夏に腕や脚を覆う服を選ぶときは、暑さや汗の始末との兼ね合いも考えます。
夏の外遊びの服の条件は園児の夏の服装ガイド、寒い時期の上着と遊具の前の脱ぎ着の決め方は保育園の冬服の重ね着ガイドで紹介しています。
外遊びや運動の前に、服の丈や靴の履き方を実際に動いて確かめる方法は、次の記事にまとめています。
まとめ|とげは「つまめるときだけ」抜き、迷ったら受診につなぐ

とげの抜き方の基本は、手を洗って刺さった向きを確かめ、皮膚から出た先を毛抜きでつまんで、同じ向きにゆっくり抜くことです。次の順で判断します。
- 先がつまめるか、受診の目安に当たらないかを見る
- つまめるときだけ刺さった向きに沿って抜き、全部抜けたかを確かめる
- 洗って覆い、数日は赤み・腫れ・膿・痛みが出ないか見る
- 深くてつまめない、折れた、目や目のまわり・爪の下、土で汚れたものなどは受診する
- 園では園の手順に沿って手当てし、保護者への連絡と記録をして、点検につなげる
園児服メーカー編集部としては、服で覆える腕や脚と、覆えない手のひら・指先・足の裏を分けて考えることをおすすめしています。衣替えで袖や裾の長さが変わる時期に、木の遊具や床の点検、上履きや靴の履き方もあわせて見直すと、とげを防ぐ備えが毎日の服の準備とひと続きになります。



