卒園メッセージの書き方と例文|先生から子ども・保護者へ、親から子へ
卒園メッセージは、名前を呼び、思い出を1つ、これからへの応援で結ぶと短く伝わります。先生から卒園児・保護者へ、親から子へ、在園児から卒園児への例文と、比べない言葉選び、カード・色紙の長さと名前の書き方を解説します。

卒園のカードや色紙、アルバムに書く「おめでとう」は、誰が読むのか、いつ読むのかで、ふさわしい長さや文字が変わります。
卒園メッセージの書き方|名前を呼び、思い出を1つ、応援で結ぶ

誰に宛てる場合も、次の3つを短く並べると形になります。
- 呼びかけ:「〇〇くんへ」など、ふだんの呼び方で名前を書く
- 思い出を1つ:いつ・どこで・何をしていたかが分かる、その子との場面を書く
- これから:4月からの新しい毎日への応援で結び、最後に自分の名前を書く
思い出は1つを少し詳しく書くと、その子に宛てた言葉になります。
誰から誰へ | 主な書く場所 | 長さの目安 | 文字 |
|---|---|---|---|
先生から卒園児 | 一人ずつのカード、黒板、色紙 | 2〜4文 | ひらがな |
先生から保護者 | 卒園アルバム、最後のおたより | 3〜5文 | 漢字かな交じり |
保護者から子ども | 当日渡すカード、アルバム・文集 | カードは1〜3文、文集は園の指定 | カードはひらがな、文集は漢字かな交じり |
在園児から卒園児 | 寄せ書き、手作りのカード | 1文と絵 | 先生が聞き取って書く |
読む子に合わせた言葉選び
幼稚園教育要領は、園での文字との関わりを「文字に対する興味や関心をもつ」ようにすることと示しています。ひらがなとカタカナの読み書きは、小学校1・2年の国語で学ぶ内容です。読める文字には一人ひとり差があるので、子どもへのメッセージは大人が読み聞かせる前提で書きます。
- 園でふだん使う言葉を、ひらがなを中心に書く(漢字にはふりがなを付ける)
- 1つの文を短くし、「〜して、〜して」と続けすぎない
- 言葉のまとまりごとに少し間をあける(分かち書き)
- 書いたら声に出して読み、つかえた所を直す
分かち書きは、仮名だけの文や子ども向けの文章を読みやすくする書き方で、この記事のひらがなの例文もこの形です。
先生から卒園児・保護者へ|カード・黒板・アルバムの例文

一人ずつのカードは、次の順で書きます。
- 保育の記録や写真を見返す
- 全員分の場面を先に書き出す
- 長さもそろえる
卒園児一人ひとりへのカード
〇〇くんへ そつえん おめでとう。うえきばちを もちあげて、だんごむしの すみかを みせて くれたね。あたらしい ところでは、どんな いきものに であうのかな。〇〇せんせいより
〇〇ちゃんへ そつえん おめでとう。あめの ひは、かさを くるくると まいて とめて いたね。きれいに まいた かさは、4がつからの かさたてでも すぐに わかるね。〇〇せんせいより
進む先は小学校とは限らないので、これからの話はその子の進む先に合わせます。担任以外の先生は、「ろうかで あうと、いつも てを ふって くれたね」など、自分と過ごした場面を書くと担任のカードと重なりません。
クラス全体へ(黒板・色紙の中央)
全員が経験した毎日の場面を選び、行事の話は当日休んだ子にも当てはまる言い方にします。
〇〇ぐみの みんなへ そつえん おめでとう。まいあさ みんなで のぞいた メダカの すいそうは、4がつから つぎの ねんちょうさんが せわを して くれるよ。えんの まえを とおったら、メダカに かおを みせに きてね。〇〇せんせいより
保護者へ(卒園アルバム・最後のおたより)
保護者へは「です・ます」で、次の順に書きます。
- 感謝
- 園で見た子どもの姿
- 応援
全員に配る物には個別の家庭の話を入れません。
これまで、毎日の準備や行事へのご協力をありがとうございました。年長になってから、子どもたちが話し合って遊びのきまりを決める姿が増えました。4月からの毎日を、職員一同応援しています。
一人ずつに書くなら、「途中から入った友だちに、ロッカーの場所を教える姿を何度も見かけました」のように、その子の姿を事実で1つ入れます。
親から子へ・在園児から卒園児へ|短文の例文

卒園式の日に渡すカード・手紙
卒園式の日や前の晩に読み聞かせるカードは、ひらがなで1〜3文にします。差出人は、子どもがふだん呼ぶ呼び方で書きます。
〇〇へ そつえん おめでとう。せんたくものを たたむ ときは、じぶんの ハンカチの かどを そろえて いたね。その ハンカチ、4がつからも もって いってね。パパより
〇〇ちゃんへ そつえん おめでとう。ねる まえに、えんで おぼえた てあそびを おしえて くれたね。こんどは ばあばが あたらしいのを おぼえて おくね。ばあばより
例文の〇〇には、家での呼び方を入れます。
卒園アルバム・文集に書く、少し長い文
アルバムや文集は、本人が何年かたって読み返すものなので、次のように書きます。
- 漢字かな交じりで書く
- できればふりがなを添える
- 字数は園や係の指定に合わせる
〇〇へ。園で抜いた大根を両手で抱えて、台所まで運んでくれた日のことを、家族で今も話します。あの日から、夕ごはんのたびに園の話を聞かせてくれるようになりましたね。これからはどんな話を持って帰ってくるのか、楽しみにしています。
在園児から卒園児へ
年少・年中の子は、先生が言葉を聞き取って書き、名前や絵を子どもが添えると、どの子も参加できます。「ねんちょうさん、ブランコ かわって くれて ありがとう」のように、聞き取った言葉は直しすぎず、その子の言い方を残します。
卒園式で送る側になる在園児の服装は、卒園式の在園児の服装で整理しています。
服や持ちものに表れる成長を言葉にする

場面に迷ったら、園の服や持ちものから探してみましょう。毎日かぶった帽子や着替えた体操服には、積み重ねてきた身支度が表れています。
服・持ちもの | 入園から卒園までの変化の例 | 言葉にした例 |
|---|---|---|
園の帽子 | かぶせてもらう→自分でかぶる | 「まいあさ じぶんで ぼうしを かぶって きたね」 |
上着・スモックのボタン | 留めてもらう→最後まで自分で留める | 「ボタンを さいごまで じぶんで とめられるように なったね」 |
体操服 | 手伝ってもらう→脱いでたたむ | 「ぬいだ たいそうふくを じぶんで たためたね」 |
通園カバン | 出してもらう→自分で支度を出す | 「かばんから じぶんで したくを だせたね」 |
服の大きさで成長を書くかは、書く人で分けます。保護者が自分の子に「ぶかぶかだった うわぎが、いまは ぴったりだね」と書くのは、その家庭だけが知る思い出です。
先生のメッセージでは、服の大きさより「自分でできるようになったこと」を書きます。体の大きさは一人ひとり違い、服を買い替えたかどうかは家庭のことだからです。
ボタンを留める練習の順番はボタンの練習はいつから、身支度を通した関わりは園で服育を実践する5つの活動で紹介しています。卒園式の前日に園の服を整える手順は、次の記事にまとめています。
避けたい表現と、カード・色紙・寄せ書きの書き方

避けたい表現と言い換え
避けたい書き方 | 理由 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
「クラスで いちばん はやかったね」 | ほかの子と比べている | 「さいごまで ちからいっぱい はしったね」 |
「はじめは ないてばかりだったね」 | 本人がつらい記憶を思い出すことがある | 「じぶんで 『おはよう』と いえるように なったね」 |
「おとこのこだから つよく なってね」 | 性別で決めつけている | 「すきな ことを たいせつにね」 |
「お仕事でお忙しいなか」(保護者へ) | 家庭の働き方を決めつけている | 「毎日のご準備とご協力に」 |
「しょうがっこうでは もっと がんばってね」 | 今までが足りなかったように読める | 「しょうがっこうでも すきな 〇〇を つづけてね」 |
幼稚園教育要領は、子ども一人ひとりのよさを捉えるとき、ほかの子との比較によらないよう示しています。
保育所保育指針も、国籍や文化の違いを認め合うこと、性別などによる固定的な意識を植え付けないことを挙げています。
家庭の宗教や行事を前提にした言葉は避け、宗教を大切にしている園では園の方針に沿います。
家庭の事情や、面談・連絡帳で知ったことも書きません。保育所保育指針は保護者や子どものプライバシーの保護を示し、保育士には仕事で知った秘密を守る義務が児童福祉法で定められています。
カード・色紙の書き方と名前
書く前に鉛筆で薄く線を引き、何行入るかを数えてから文を決めると、最後の行が詰まりません。色紙は中央に「そつえん おめでとう」などの題字を置き、周りを書く人の数で区切ってから回すと、最後の人の場所も残ります。
- 宛名は書き出しに大きめに、自分の名前は最後に書く
- シールやイラストは、文字にかからない場所に貼る
- 寄せ書きの名前は、下の名前だけか名字も書くかをそろえる
- 書き終えたら名簿と見比べて名前の字を確かめ、鉛筆の線はインクが乾いてから消す
写真に残すときは、次の点にも気をつけます。
まとめ|読む人を決め、その子だけの場面を1つ書く

卒園メッセージは、次の順で書くと迷いません。
- 誰が誰に宛て、どこで読まれるかを決める
- その子との場面を1つ選ぶ(迷ったら身支度の場面から)
- 名前を呼び、場面を書き、これからへの応援で結ぶ
- 子どもが読む文はひらがなで短くし、声に出して確かめる
- 比較や家庭の事情、性別の決めつけがないかを見直し、名前の字を確かめる
上手な言い回しより、その子をよく見ていたことが伝わる一場面を大切にしてください。
園児服メーカー編集部としては、毎日の帽子やボタン、たたんだ体操服に、子どもの「自分でできた」が積み重なっていることに注目しています。卒園メッセージを書くときは、その子が園の服と一緒に過ごした毎日を思い出してみてください。



