お正月とは?意味・由来と風習、保育園・幼稚園での子どもへの伝え方
お正月は、家々を訪れる年神様を迎えて新しい年を祝う行事とされます。三が日・松の内の期間と地域差、門松や鏡餅のいわれ、年齢別の伝え方とお正月の歌と曲、喪中などへの配慮、休み明けの服の点検まで先生向けに整理します。

お正月は年末年始の休みをはさむため、園では「休みの前に伝える」と「休み明けに振り返る」の2回に分けて考えると準備しやすくなります。
お正月とは|年神様を迎えて新しい年を祝う行事

お正月は、1年の最初の月、また新しい年の始まりを祝う行事が行われる期間を指す言葉です。家々を訪れる年神様(歳神様)を迎えてまつる行事とされます。
神社本庁の解説でも、年神は新しい年に豊かな実りをもたらすとされる神さまと紹介されています。年神様は「正月様」とも呼ばれ、豊作の守り神であり、祖先の霊でもあるといわれます。
1月1日の元日は、国民の祝日に関する法律で「年のはじめを祝う」日と定められています。「元旦」は本来、元日の朝を指す言葉です。
お正月の中心は、1月1日から3日までの三が日です。門松などの松飾りを立てておく期間を「松の内」といい、ふつうは元日から7日までですが、京都や大阪では15日までとされるなど、地域によって違います。
大晦日から小正月までの流れ
2026〜2027年の年末年始の主な行事と日付です。
行事 | 2026〜2027年の日付 | どんな日か |
|---|---|---|
大晦日 | 12月31日(木) | 1年の最後の日。年越しそばを食べ、除夜の鐘を聞く |
元日・三が日 | 1月1日(金)〜3日(日) | 初詣に出かけ、おせちやお雑煮で新年を祝う |
七草 | 1月7日(木) | 春の七草を入れた七草がゆを食べる |
鏡開き | 1月11日(月・成人の日) | 鏡餅を下ろし、お雑煮やお汁粉にして食べる |
小正月 | 1月15日(金)前後 | 小豆がゆを食べ、どんど焼きで正月飾りを焼く |
鏡開きは1月11日に行う地域が多いとされますが、4日や7日に行う所もあります。どんど焼き(左義長)も、呼び名や日取りは地域によってさまざまです。
お正月の風習の意味|門松・鏡餅・おせち・お年玉など

門松やしめ飾りは年神様を迎える準備、鏡餅はお供え、おせちやお雑煮は新しい年を祝う料理とされます。いわれには諸説があり、飾り方や食べ方は地域や家庭によって違います。
風習 | いわれ |
|---|---|
門松 | 年神様を迎え、宿ってもらうための依り代(よりしろ)だったとみられる |
しめ飾り | しめ縄を張って神聖な場所であることを示し、悪いものが家に入らないようにする |
鏡餅 | 年神様へのお供え。昔の丸い鏡に形が似ていることが名前の由来といわれる |
おせち | もとは節句の料理で、のちに正月の料理を指すようになった。黒豆に「まめに働けるように」、数の子に「子孫繁栄」の願いを込める |
お雑煮 | 神様に供えた餅などを煮て、神様と人が一緒にいただくのが始まりとされる |
お年玉 | 年神様からの賜り物とする見方があり、もとは餅が中心だった。子どもに小遣いを渡す形が一般的になったのは近代以降とされる |
初詣 | 年が明けて初めて、神社やお寺にお参りする |
書き初め | 新年に初めて筆で字を書く。昔から1月2日に行われてきた |
お雑煮の餅は、関ケ原のあたりを境に、東は角餅、西は丸餅が一般的とされ、汁もすまし仕立てやみそ仕立てなどさまざまです。書き初めで書いた紙は小正月のどんど焼きで燃やし、高く舞い上がると字が上手になるといわれてきました。
園でお正月を伝える|年齢別の話し方と冬休み前後の活動

幼稚園教育要領と保育所保育指針は、文化や伝統に親しむ活動の例に次のものを挙げ、社会とのつながりの意識などの芽生えを養うよう示しています。
- 正月や節句などの伝統的な行事
- 唱歌
- わらべうた
- 伝統的な遊び
1・2歳児についても、指針は季節の行事などに興味や関心をもつことを挙げています。
年齢 | 伝え方の例 |
|---|---|
0〜2歳児 | 鏡餅や門松を写真や絵本で一緒に見て「おもちだね」「まつだね」と言葉を添える。あいさつのしぐさをまねて楽しむ |
3歳児 | 「新しい年になると、神様がおうちに来てくれるんだって。今年も元気でいられますように、ってお祝いするのがお正月だよ」と短く |
4・5歳児 | 門松や鏡餅のいわれ、おせちの品に込めた願いまで。お雑煮の餅の形が地域で違うことを、絵や写真で比べる |
鏡餅の実物は、口に入れないよう子どもの手の届かない高さに飾りましょう。
冬休み前と休み明けの活動例
冬休み(保育園では年末年始の休み)の前
- 年末のすす払いが年神様を迎える準備だったことにちなみ、ロッカーや道具箱を片付ける
- 門松や鏡餅、しめ飾りを写真や絵本で見て、名前といわれを知る
- お正月の歌をうたう
休み明け
- 「今年もよろしくね」とあいさつを交わす
- 知っているお正月のものを出し合い、絵にかく
- 5歳児は書き初めにちなみ、「今年やってみたいこと」を絵や文字でかく
- 1月7日の前後に、せり・なずななど春の七草を実物や写真で見る
羽根つきやたこ揚げ、すごろく、かるたなどのお正月遊びも、休み明けに取り入れやすい活動です。
お正月の歌と曲
曲名 | 作詞・作曲 | どんな曲か |
|---|---|---|
お正月 | 作詞:東くめ/作曲:滝廉太郎 | 明治34年(1901年)の『幼稚園唱歌』に収められ、今も歌われている唱歌 |
一月一日 | 作詞:千家尊福/作曲:上真行 | 明治26年(1893年)に祝日大祭日唱歌の一つとして公示された、新年の歌 |
春の海 | 作曲:宮城道雄 | 昭和4年(1929年)に、翌年の歌会始のお題にちなんで作られた箏と尺八の曲。聴いて楽しむ |
歌詞は、園の楽譜集や音源で確かめてから歌いましょう。
お正月の話題で配慮したいこと|喪中・家庭の違い・お年玉・お餅

近い親族を亡くした家庭は喪中となり、正月飾りやおせちなどのお祝いを控えたり、年賀状の代わりに喪中はがき(年賀欠礼状)を出したりすることがあります。「おめでとう」の言葉を使わない家庭もあるため、休み明けのあいさつは「今年もよろしくね」でも十分とし、無理に言わせないようにします。
過ごし方も家庭や地域でさまざまです。北海道では大晦日におせち料理を食べる家が多いといわれます。帰省や旅行をする家庭もあれば、仕事で家族がそろわない家庭もあります。「お正月に何をした?」を一人ずつ尋ねるより、知っているお正月のものを出し合う形にすると、どの子も参加できます。
新年を祝う時期や習わしは国や地域でも違い、中国では旧暦の正月を春節として祝います。保育所保育指針は、子どもの国籍や文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるよう示しています。家庭の新年の祝い方を紹介してもらえる場合は、クラスで知り合うきっかけにもなります。
お年玉は、もらうかどうかも金額も家庭によって違います。園では、金額や買ったものを尋ねたり比べたりする話題にしないようにしましょう。
初詣は神社やお寺へのお参りです。教育基本法は、宗教に関する一般的な教養を教育上尊重すべきとしつつ、公立の幼稚園での特定の宗教のための宗教教育や宗教的活動は禁じています。園でどこまで扱うかは、園の方針に沿って決めましょう。
冬休み明けの登園に向けて|服と持ちものを点検する

年末のすす払いは、家を清めて年神様を迎える準備とされてきました。休み明けの登園の前には、園で使う服と持ちものも同じように整えておきましょう。休み前に体操服やスモック、上履きを持ち帰る園では、洗濯表示に沿って洗い、乾いてから次の点を確かめます。
確かめること | 見るところ | 気づいたら |
|---|---|---|
サイズ | 着て腕を前に伸ばしたときの袖丈、しゃがんだときの着丈やウエスト | 園の見本で試着して、買い替えを考える |
名前 | 洗濯で薄れたり、にじんだりしていないか | 園の決まりの位置に書き直す |
ほつれ・ボタン | 縫い目のほつれ、ボタンのぐらつき、ゴムのゆるみ | 早めに縫い直す、付け直す |
冬の上着・小物 | 上着のフードやひも、マフラーや手袋 | ひもは外し、園での扱いを確かめて名前を付ける |
サイズの見方は園児服・体操服のサイズ選びで、上履きの名前を書き直す手順は上履きの名前の書き方で詳しく紹介しています。
こども家庭庁の事故防止ハンドブックは、遊具で遊ぶときはひもやフードのない服装にし、マフラーなど引っかかる物は身に付けないよう呼びかけています。
外遊びで着る上着はひもやフードのないものにし、遊具で遊ぶときはマフラーを外しましょう。
寒い時期の重ね着の考え方は、次の記事にまとめています。
まとめ|お正月は由来をそろえて伝え、休み明けの服まで整える

お正月は、年神様を迎えて新しい年を祝う行事とされます。園では次の順に準備すると、子どもにも家庭にも同じ言葉で伝えられます。
- 由来と風習のいわれ、地域の日取りを先生どうしで確かめる
- 冬休み前に、年齢に合う一言と、飾りや歌でお正月に親しむ
- 休み明けは、あいさつと「知っているお正月のもの」で振り返る
- 喪中や家庭の違い、お年玉、お餅の扱いに配慮する
- 服と持ちもののサイズ・名前・ほつれを確かめて、新しい年の園生活を迎える
大切なのは、行事の知識を覚えさせることより、新しい年を迎えたうれしさを、どの子も一緒に感じられるようにすることです。
園児服メーカー編集部としては、すす払いで家を清めて新しい年を迎える習わしを、園の服を整える習慣にもつなげたいと考えています。休み明けの前に袖丈や名前、ゴムやボタンを一度確かめておくと、子どもが新しい年の園生活を気持ちよく始められます。



